1on1(ワンオンワン)ミーティングの目的は、「1対1で上司が部下の話を聞き、成長を促すこと」。
上司から一方的に評価や管理をするための「面談」とは異なり、双方向のコミュニケーションを重視します。1on1ミーティングは目的をしっかり捉えて実践すれば、企業にとってプラスなものばかり。
しかし、目的をしっかり把握せず形式的に行っても、効果が期待できません。
この記事では、1on1ミーティングを取り入れる目的とメリット、よくある疑問にお答えします。
1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、人材育成を目的とした、上司と部下との話し合いです。
アメリカ発祥の手法で、近年日本でも注目が高まっています。
人事評価や面談との違いは、「対話」に重きを置いていること。
上司が部下を評価するような、一方的なコミュニケーションではありません。
部下の話を聞き、部下自身が目標へと具体的なアクションをできるよう導いていきます。
企業が1on1ミーティングを導入する目的は?
部下の話を聞くことで、さまざまなメリットがうまれるため、1on1ミーティングを導入する企業が増えています。
生産性を上げるため
部下が問題や困りごとを解決するため、奮闘するのはよいことです。
しかし、その間に他の業務が停滞したり、ひとりで抱えすぎたりしていたら、生産性が高いとは言えません。
部下との対話により、他の解決法や相談先を見つけられれば、部下自身だけでなく、企業自体にも好影響です。
より良い配置転換のため
1on1ミーティングを通して、社員の適性や希望と、今の仕事とのギャップに気づけるかもしれません。
経験豊富な上司の客観的な意見を聞き、よりスキルアップを目指す気持ちがでることもあるでしょう。
部下の新たな可能性に気づけば、今後の人事異動にうまく活用できます。
社員の離職防止のため
育て上げた大切な社員の離職は、企業にとって痛いもの。
部下の目標達成といったサポートができれば、部下のモチベーションもあがります。
働く意義を再認識し、企業への愛社精神もわいてくるでしょう。
円滑なコミュニケーションのため
働きやすさには、人間関係が大きく影響します。
1on1ミーティングによる定期的な対話があると、職場の雰囲気や環境が良くなるため、企業全体にとってもプラスに働きます。
1on1ミーティングの具体的な流れ
では具体的に、なにから始めればいいのでしょうか。
1on1ミーティングの進め方を解説します。
準備 | 目的が部下の成長のためであると周知する。雑談で終わらないように、話す内容を決める。 |
実施 | 上司が部下の話を聞く。部下本人の気づきや、上司からのフィードバックをメモに取る。 |
振り返り | これからの目標や、具体的な行動を決める。 |
大切なのは、この流れを定期的に継続すること。
継続によって、前回からどこが変化・成長したかを、具体的に確認できます。
部下は1on1ミーティングをきっかけに、自分で考えて納得した答えをもって進めるように成長していくでしょう。
事前に知りたい成功のポイント
1on1ミーティングを実施する前に、注意しておきたいことを確認しましょう。
上司側の注意点
雑談から始めてみたり、部下の体調を確認したりと、まずは話しやすい環境づくりから始めましょう。
上司は「傾聴」を意識して、部下の話を聞きます。
さらに、部下の話を深掘りすることで、部下本人も気づいていなかった本音が出てくるかもしれません。
途中で話を遮る、一方的なアドバイスをおしつけるのはNGです。
部下側の注意点
部下が主役となるのが、1on1ミーティング。
部下は、なにを話すか事前に決めておきましょう。
わからないときは、下記のトピック例を参考にしてください。
トピック例 ・仕事の目標や進め方で悩んでいる ・仕事に集中できなくて困っている ・職場の人間関係をスムーズにしたい ・プライベートな悩みがある ・今後のキャリアプランについて |
どんなささいなことからでも、気づきがありますよ。
【Q&A】1on1ミーティングの素朴な疑問
1on1ミーティングを実際に始めるにあたって、よくある疑問にお答えします。
1on1ミーティングの時間と頻度は?
時間は30分程度で、週1〜月1回ほどおこないます。
何人も受け持つ上司にとっては、はじめは負担に感じるかもしれません。
育成マネジメントの研修などで、上司の負担感を減らす対策も必要です。
部下の成長が進むにつれ、部下が自走できるようになり、上司にとっても業務効率改善が期待できます。
1on1ミーティングを定着させるには?
空いた時間に実施しようとしても、なかなかむずかしいものです。
「第1、第3水曜日の15時」などとスケジュールをあらかじめ固定させておきましょう。
都合で出来なかった場合はかならず予定を組み直し、ミーティングを飛ばすのは避けましょう。
1on1ミーティングは、コーチングと似ている?
コーチングは「相手の中にある答えを引き出す」イメージのコミュニケーション手法です。
1on1ミーティングでも、コーチング能力は活かせます。
さらに、1on1ミーティングでは、「教える」「伝える」といったさまざまな働きかけが必要なため、上司は研修などを受けスキルを磨いておくとよいでしょう。
1on1ミーティングを有効活用し、企業力を高めよう!
1on1ミーティングを取り入れると、社員のパワーアップ、ひいては企業自体の成長にも大きくつながっていきます。
ただし、目的をしっかり押さえましょう。
1on1ミーティングがただの雑談や会話に終わってしまっては、貴重な時間がもったいないからです。
効果的な進め方や「傾聴」のスキルなど、高度なコミュニケーションも求められてきます。
弊社では、コミュニケーションスキル向上の研修等を通じて、企業力を高めるお手伝いができます。
ぜひ一度、ご相談ください。
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