子どもの成長によって、子ども部屋の使い方は変化していきます。
理想の子ども部屋をつくるには、新築時の計画が特に大切です。
フレキシブルに対応できる間取りを取り入れられるのは、新築住宅を計画しているときだけだからです。
今回の記事では、子ども部屋の目的や必要な時期、後悔しないためのポイント、子ども部屋と家族の関わりについて解説します。
この記事のポイント
- 子ども部屋は勉強場所の役割以外にも、自立心を育んだり、プライベート空間になったりする
- 仕切れる部屋なら、子どもの数が増えたとき対応しやすい
- 子ども部屋単体ではなく、家族とのつながりを考える
- 将来、子どもが巣立ったあとのことも考えるのがおすすめ
子ども部屋って、なんのために必要？
そもそも、子ども部屋が必要な理由はなんでしょうか。
我が家の子育て観をチェックしつつ、目的を考えながら計画していけば失敗しませんよ。
自立心を育む
子どもにとっても自分だけのスペースは嬉しいもの。
未就学児のような小さな子でも、自分の持ち物やおもちゃをお片付けする自立心が芽生えます。
子ども部屋をすべて管理するのはむずかしいにしても、自分の持ち物を家族のモノと区別し、大切にする習慣が身に付くでしょう。
プライベートな空間を確保する
子ども部屋にはプライベートな空間としての役割もあります。
「ひとりで遊びたい」
「お友だちが来たとき、リビングでお話を聞かれたくない」
「だれにも声をかけられずに、マンガを読みたい」
「勉強に集中したい！」などなど……。
思春期はもちろん、どんな年齢の子にもプライベートな空間は役立つでしょう。
集中できる勉強スペースとして活用する
小学校の低学年くらいのうちは、リビングで宿題をしているご家庭も多いでしょう。
しかし、とくに中学生以降は、集中できる勉強スペースが必要。
勉強の習慣をうまくサポートしてくれるような、子ども部屋が欲しいものです。
どのくらいの広さが必要？
では、子ども部屋にはどのくらいの広さがあればいいのでしょうか。
子ども部屋の目的を考えつつ、広さをイメージしていきましょう。
 広さ別 子ども部屋イメージ図 |
上の図は、4.5畳、6畳、8畳の子ども部屋にベッドと机、収納棚を置いたイメージです。
4.5畳の子ども部屋
4.5畳の子ども部屋のイメージは「コンパクト～普通」です。
最低限の広さがあればいいという考えは、最近のトレンドのようです。
4.5畳の子ども部屋には、ベッドと勉強机、収納棚程度は置けるでしょう。
クローゼットが別に0.5畳〜1畳ほどあると、便利です。
クローゼットがない場合、少し手狭に感じることも。
持ち物が床にあふれないような工夫が必要です。
6畳の子ども部屋
6畳の子ども部屋は「普通～広い」といったイメージです。
ベッドと勉強机、収納棚などを置いても少し余白ができるので、のびのびとできます。
お友達も呼びやすい広さです。
8畳の子ども部屋
8畳の子ども部屋は「広い」印象。
模様替えをするとき「ドアや窓が干渉して好きに動かしにくい」ということも少なく、ゆとりのある部屋です。
将来、もしお子さんが増えた場合、4畳ずつシェアして使うこともできますね。
我が家の子ども部屋はいつから必要？
新築時に子ども部屋を作ったのに、子どもが小さくてすぐ使えないとしたらもったいないですよね。
子ども部屋は、いつから必要なのでしょうか？
何歳から！という正解はありませんが、考え方のポイントを解説します。
遊びのスペースとして
未就学児はまだ、リビングで家族の目の届く範囲で遊ぶことが多く、だんだんと、子ども部屋でも遊べるように移行していきます。
子ども部屋を使うようになるまでは、リビング横に遊べるスペースが必要になることも。
リビングの近くや同じフロアの子ども部屋なら、比較的小さいうちから使いやすいでしょう。
勉強のスペースとして
中高生くらいになると、受験やテスト期間の勉強に集中できるスペースとして子ども部屋が必要です。
それまでは、リビング近くで学習するためのカウンターやスタディコーナーがあると便利。
いつから子ども部屋で集中して勉強できるかは、その子の性格や個人差もあるでしょう。
寝るスペースとして
子ども部屋で、未就園児がひとりで寝るのはなかなかむずかしいので、子ども部屋が一時的に家族の寝室になるかもしれません。
小学生くらいになれば、子ども部屋で一人で寝られる子も出てくるでしょう。
寝るスペースとして使う場合は、その時期の必要性にあわせて使い方を変えていきましょう。
失敗から学ぶ！子ども部屋で後悔しないためのポイント
子ども部屋の後悔ポイントとして「きょうだいが増え、部屋が足りなくなってしまった！」というものがあります。
もし注文住宅を建てる時点で、子どもの人数がまだ分からないときは、将来的に仕切れるようにするのがおすすめです。
広めの子ども部屋をフレキシブルに使えるようにしておきましょう。
将来、仕切るときのアイデアとしては、本棚で仕切る、カーテンで仕切る、壁をリフォームでつける……などがあります。
仕切る計画が少しでもある場合、新築時に、ドア・窓・電源・エアコンなどを部屋の両側につけるのがおすすめです。
理想の子ども部屋のイメージを決めていこう！
子ども部屋のイメージを具体的に考えてみましょう。
収納スペースが足りる？
子どもの荷物はどんどん増えるもの。
収納スペースのクローゼットがあれば、安心です。
クローゼットに扉をつけずにロールスクリーンをつけて、フレキシブルに使えるようにするアイデアも素敵ですよ。
家具はなにを買う？
はじめから完璧に家具を揃えなくても大丈夫です。
成長にあわせながら、イメージにあう家具を買いそろえる楽しみ方も。
造作家具、いわゆる造り付けの家具は地震のとき倒れないので安心です。
ただし、子どもが模様替えをしたり、住み心地をよくするアイデアを自分で考えたりしたいかもしれませんので、造作家具のつけすぎには注意してください。
照明はどうする？
灯りには、作業時に向いている白っぽい光と、寝る前などのリラックスタイムに向いているオレンジ色があります。
その色や、明るさの切り替えができる「調光調色」タイプを選ぶと、どんなときもぴったりの光の中で生活できますよ。
子どもらしい、吊るすタイプのペンダントライトを選ぶのも素敵ですね。
他のおうちと差がつく！子ども部屋ワンポイントアドバイス
子ども部屋単体で考えるだけでなく、ここからはおうち全体と子ども部屋のつながりも考えてみましょう。
たとえば、子ども部屋までの動線はどうなっているでしょうか。
リビング内にある、いわゆる「リビング階段」はお子さんのいるご家庭に人気。
子ども部屋に行くときに、リビングを通って家族と自然に顔をあわせることができるため、コミュニケーションのきっかけとなります。
2階の床をぬいて1階とつなぐ「吹き抜け」は、お互いに家族の気配を感じやすいメリットが。
親子のつながり方を、間取りを見ながらイメージしてみましょう。
環境の変化に対応できる？子ども部屋の間取りを決めるポイント
将来のことはわかりません。
完璧さを求めず、少しフレキシブルさを取り入れて、子ども部屋を楽しく計画するのをおすすめします。
たとえば、今2歳のお子さんがいるとします。
自立し、18歳で家を出ると想定すると、子ども部屋をフルで使っても16年。
その先の利用法を考えておくのもいいですね。
シアタールームにしたり、ご夫婦の趣味の部屋にしたりするのも素敵です。
せっかくの部屋が物置になってしまわないように、将来の使い方も頭の隅に考えておくといいかもしれません。
理想の子ども部屋づくりのポイントは「長い目で見ること」
プライベートな空間づくり、親子をつなぐ距離感、子ども部屋のスタイルは子どもの成長とともに変わっていきます。
そのときどきで、ベストな暮らし方ができたら幸せですね。
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